SCORM AI Playground

プロジェクトレポート

開発期間: 2025年12月27日〜2026年1月2日(7日間)

生成AIを用いてSCORM教材を短期間で生成・管理・公開・改善できるプラットフォームを7日間で実装した。教材生成(複数テンプレート)からプレビュー→保存、派生/フォーク、ランキング、履歴・ログ、管理機能、多言語化、テスト/静的解析を含むCI/CD、Laravel Cloudへのデプロイまでを一気通貫で整備し、運用可能なデモを公開した。

概要

  • 期間: 2025年12月27日〜2026年1月2日(7日間)
  • 実施タイミング: 冬休み期間中の短期集中プロジェクト
  • デモサイト: https://scorm.laravel.cloud/
  • 使用LLM(成果物の生成): MIMO V2 Flash / Gemini 3 Flash
  • 使用LLM(開発): GPT-5.2 / GPT-5.1-Codex-Max / Gemini 3 Pro / Claude Opus 4.5 / Claude Sonnet 4.5

背景

生成AIを活用すればSCORM教材を作成できることは見えていた一方で、教材作成を「単発の試行」ではなく「継続的に運用できる仕組み」として成立させる必要があった。 そこで、教材の生成・管理・公開・改善までを一気通貫で扱えるシステムとして具現化することを目指した。

同時に、本プロジェクトは「AIネイティブな開発」そのものを実践し、モダンな開発手法・CI/CD・運用設計を短期間で検証する場として位置づけている。

目的

プロダクト面

  • 生成AIを活用し、SCORM教材を効率的に作成・管理できるシステムを構築する
  • 技術に詳しくない人でも教材開発を行えるようにする
  • AIで何ができるのかを体験できる場を提供する(小学生・中学生・高校生なども想定)
  • 生成したコードをダウンロードしてPC上で動かし、改良できる導線を用意する(プログラミング導入としての活用)
  • フル機能のLMSではなく、教材作成・共有・改良に特化。CMS的なシステム
  • コミュニティ駆動:人気教材の可視化、プレイ回数・得点記録でユーザー間の交流を促進
  • オープンな教材共有:公開教材はフォーク可能、SNS拡散も想定

技術検証/開発プロセス面

  • モダンな開発(AI支援・自動テスト・静的解析・整形・国際化など)を実プロダクトで試す
  • モダンなCI/CD(キャッシュ最適化、並列実行、依存関係更新の自動化、デプロイ/ステージング運用)を検証する

プロジェクトの成果

生成AIを活用したSCORM教材作成システムの開発

  • プロンプト入力による教材の自動生成(4種類のテンプレート:タイピング・クイズ・フラッシュカード・自由形式)
  • SCORM 1.2規格に準拠したパッケージの出力とZIPダウンロード
  • OpenRouter API経由でのマルチLLM対応(成果物生成用)

教材作成プロセスの効率化と品質向上

  • 教材作成の効率化に寄与するワークフロー(生成・プレビュー→保存・改良・履歴管理)を整備
  • AIによる多言語対応やクイズ生成の自動化
  • バージョン管理とプロンプト履歴の保持による改良の継続性確保

コミュニティ駆動のプラットフォーム構築

  • 公開教材の探索・フォーク機能
  • 5つの期間別ランキング(本日/今週/今月/今年/トータル)による人気教材の可視化
  • プレイ回数・平均スコア・完了率の統計表示
  • 個人学習履歴(My Scores)の管理とSCORM通信履歴のデバッグ支援

運用可能なシステムの実現

  • Laravel Cloud上での稼働実績(デモサイト公開)
  • メール認証・管理者機能・タイムゾーン対応・多言語対応(en/ja)など、実運用に必要な機能の実装
  • ステージング環境の整備によるリリース前検証プロセスの確立

技術的な取り組み

AIネイティブ開発の実践

  • GitHub Copilot Agentを活用した実装・設計・修正の反復
  • マルチLLM(GPT-5.2 / GPT-5.1-Codex-Max / Gemini 3 Pro / Claude Opus 4.5 / Claude Sonnet 4.5)の適材適所による活用
  • AIによるテストコード生成・レビュー・ドキュメント作成の効率化

SCORM教材システムの実装

  • SCORM 1.2規格に準拠した成績送信ロジックの自動実装
  • SCORM通信履歴のプレビュー・モーダル表示による学習状況可視化
  • SCORMパッケージのZIPダウンロード機能

品質保証とCI/CD

  • PHPUnitによる包括的なテスト:518テスト、2,425アサーション
  • PHPStan 2.1 + Larastan 3.8(Level 5)による静的解析
  • Laravel PintによるPSR-12準拠のコードスタイル統一
  • GitHub ActionsによるCI/CDパイプラインの自動化

プロジェクト規模

コード行数(vendor/node_modules除外)

  • 総コード行数: 22,422行(app/tests/resources/routes、2026-01-02時点)
  • アプリケーションコード: 9,126行
  • テストコード: 13,296行

開発工数・速度

  • 開発期間: 2025年12月27日〜2026年1月2日(7日間)
  • 実稼働日: 6日間
  • 実績工数: 0.3人月
  • 1日あたりコミット数: 約28コミット/日
  • 1日あたり増加行数: 約3,970行/日

AI活用による効率化

  • 効率化率: 約25〜33倍(7.5-10人月 → 0.3人月)
  • 開発期間短縮: 約96〜97%削減(通常1.5〜2ヶ月 → 6日間)
  • コスト削減効果: 従来手法の3〜4%のコストで実現

今後の展望

  • 既存のSCORM教材を取り込んで編集できる機能の実装により、実用性を大幅に向上
  • 生成AI技術の進化に追従した新機能の追加
  • 他の教育分野やLMSへの応用検討
  • 大規模プロジェクトにおけるAI支援開発の効果検証
  • AIと開発者の役割分担の最適化

所感・学び(AIネイティブ開発)

  • コードを書くことはAIで高速化できる一方、動作検証は依然として人間の手が必要であり、そこにこそエンジニアの価値がある
  • 異なるAIを使ってクロスチェックするのは有効で、前提の偏りや見落としの補完につながる
  • GitHub Copilot Agentはコスト効率がよく、反復のベースとして使いやすい
  • 検証の仕組みを作っておくことが重要で、何をログに残すか/ログをどう確認するかの設計が効いてくる

プロジェクトメンバー

  • 西村洋一郎(企画・開発・テスト・プロモーション・CI/CDパイプライン構築・インフラ準備)
  • GitHub Copilot(Claude Sonnet 4.5 / Claude Opus 4.5 / GPT-5.2 / GPT-5.1-Codex-Max / Gemini 3 Pro)

Special Thanks: 年末年始の時間を確保させてくれた家族